虫歯より怖い!? 武蔵小杉の歯科医が教える「歯周病の真実」

メディアでも多く取り上げられていることから、ほとんどの方が「歯周病」という病名を耳にしたことがあるでしょう。
けれども「どのように進行するか」や「重症化するとどうなるか」についてはよくわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
歯周病は日本では「国民病」とよばれるほど多くの方がかかっている病気です。
ここでは歯周病についてお話しします。
歯周病が「怖い病気」といわれる理由
歯周病はさまざまな理由から「怖い病気」とされています。
罹患率が高く誰でも発症する可能性がある
2024年(令和6年)の歯科疾患実態調査によると、15歳以上の約48%、つまり半分近くの方が4mm以上の歯周ポケットを有しています。
歯周ポケットとは歯と歯ぐきのすき間のことで、健康であれば歯と歯ぐきはしっかりと密着していて歯周ポケットは浅い状態です。
歯周病が進行すると歯周ポケットに歯垢(プラーク)がたまるため、歯周ポケットがどんどん深くなります。
4mm以上というと、すでに歯周病が進行していてできるだけ早く治療を始めたほうがいい状態です。
参考:厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査 結果の概要」表19より
歯周病はシニア世代の病気とお考えの方も多くいらっしゃるでしょう。
実際に年齢が上がるとともに歯周病の罹患率は高まります。
けれども若い世代でも歯周病にかかる可能性はあります。
「自分には関係ない」「まだ大丈夫」という考え方はやめて今すぐ予防に取り組むことが大切です。
お子さまがいらっしゃるご家庭では、ご家族の皆様ご一緒に「予防」を始めましょう。
発見が遅れやすい
じつは、歯周病は「サイレントキラー」とよばれています。
なぜなら歯周病は初期の段階では自覚症状にとぼしく、気付かないうちに進行するからです。
歯周病は、歯周病菌が原因となって起こる炎症性の疾患です。
進行すると炎症の範囲が広がり、歯を支えている歯周組織が破壊されます。
一度破壊された組織は、自然に元には戻りません。
そのため発見が遅れてしまうと、取り返しのつかない状態になってしまうこともあるのです。
重症化すると歯を失う
歯を支えている骨が溶かされると、歯を支えられなくなり歯を失うことになります。
一度抜けてしまった歯は二度と元には戻りません。
歯は1本1本に役割があり、たとえ1本でも失ったらできるだけ早く補う必要があります。
入れ歯やブリッジやインプラントなどで補うことはできますが、どんなにすぐれた治療でも天然の歯にはかなわないのが現状です。
歯周病は歯を失う原因の第1位の病気です。
できるだけ歯を多く残すためには、歯周病をしっかりとコントロールすることが求められます。
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「歯の喪失の原因」より
全身の健康状態にも影響をおよぼす
炎症によって出てくる物質が歯ぐきの血管から全身に入り、さまざまな全身の病気を引き起こしたり悪化させたりする原因となります。
具体的には血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせることで糖尿病を悪化させる可能性があります。
特に糖尿病とは、お互いに悪い影響を与え合う関係性で、糖尿病を抱えている方は歯周病が悪化しやすく治療の効果も出にくいため注意が必要です。
また、歯周病は肥満や血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)とも関係があることもわかっています。
妊娠中に歯周病が重症化すると、炎症性物質が子宮の収縮を促し早産や低出生体重児の出産につながることがあります。
さらに誤嚥(ごえん)によって歯周病菌が気管支から肺にたどり着くと、誤嚥性肺炎を発症する原因になる可能性があるのです。
このように歯周病はお口の中の病気だけでなく、全身の健康そして命に関わる病気です。
健康な毎日を過ごすためにもしっかりと歯周病予防に取り組みましょう。
効果的な予防ケアで歯周病を予防しましょう
歯周病が怖い理由をお話ししましたが、必要以上に怖がる必要はありません。
なぜなら適切なケアを行っていれば予防することができるからです。
歯周病を予防するためには、毎日の「セルフケア」と定期的な「プロケア」の併用が必要不可欠です。
セルフケアは毎日丁寧に
歯周病の直接的な原因は歯垢(プラーク)です。
プラークは細菌のかたまりで、食後数時間で形成され歯の表面に沈着します。
歯を磨くときはプラークをできるだけ取り除くことを意識しましょう。
歯と歯の間のプラークは歯ブラシだけでは取り除くことは難しく、6割ほどしか取り除けないとされています。
歯間ブラシやデンタルフロスを活用することで除去率が8割程度まで上がりますので、積極的に活用するようにしましょう。
また歯周病は生活習慣とも関係があります。
喫煙や不規則な生活・偏った食事を続けていると、免疫機能が低下し歯周病が進行しやすくなるため見直しましょう。
プロケアは定期的に
プロケアでは、セルフケアで取り切れなかった汚れを専用の機器と薬剤を使って除去します。
また磨き残しの状態に応じて、歯の磨き方やデンタルケア製品の選び方のアドバイスを行っていますので、毎日のセルフケアに取り入れましょう。
定期的に歯科でお口の中のチェックを受けていれば、歯周病の症状がみられたときに早期に対応することができます。
歯周病を早期発見するためにも、気になる症状がなくても定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。
歯周病に関することは「パークシティ歯科」にご相談ください
歯周病はいつ誰でも発症する可能性があります。
症状に気付かずに重症化すると歯がグラグラして食事が楽しめなくなったり、口臭がきつくなったりと日常生活に支障をきたすことがあります。
お口、そして全身の健康を維持するためにも、歯周病に対する正しい知識を持って予防に取り組みましょう。
当院では一人ひとりの年齢やライフスタイル、お口の状態に合わせた「予防ケア」をご提案します。
気になる症状がある方はできるだけ早くご相談ください。
武蔵小杉の歯科「パークシティ歯科」はバリアフリー設計の歯科医院です。
小さなお子様からシニア世代まで、あらゆる世代の方にとって通いやすいクリニックです。


















